スティーブ・ジョブズは面白い
面白いものを紹介するブログ。
第1号はApple創業者スティーブ・ジョブズ。
商品じゃなくて、人です。
僕が最も影響を受けた人物の1人です。
このブログの第1号広告に相応しい人物。
今更説明不要とも思えるスティーブ・ジョブズですが、どういった人物かご存知でしょうか。
めちゃくちゃ面白いですよ、この人は。
世界で初めて、個人で使えるコンピューター、パーソナルコンピュータを広めたパソコンの生みの親とも言える人物。
また倒産寸前だったAppleをiPhoneを軸に世界一価値のある企業まで回復させた凄腕の経営者。
そして、トイ・ストーリーやモンスターズ・インクでお馴染みのピクサーの創業者でもあります。
偉大な経営者というイメージでしょうか。
少し詳しい人なら、仕事にストイックで、社員に対する要求が凄まじく高く、とにかく厳しいというイメージをお持ちでしょうか。
僕はスティーブを大変尊敬しておりますが、人間性を分かりやすく説明するのに最も適した言葉はなんだろうと考えてみると、一番分かりやすいのは
クズ
です。
偉大なる経営者になんてことを言うんだと思われるかもしれませんが、性格に関しては事実、相当な問題児です。
僕を含む多くのジョブズファンは、ジョブズがクズであるという事を知った上でファンなんです。
社員のアイデアに対しては
「クソみたいなアイデアだな」
というのが基本形。
更に社員のアイデアを否定しておきながら、次の日には、そのまんま自分のアイデアとして改めて提案したりする。
ジョブズファンの間では有名すぎるお話です。
若かりし頃のバイト時代から、周りの同僚に突っかかっては、無能だ、役立たずだと怒鳴り散らしていたようです。
会話が弾まなければ、すぐにクビ。
apple社内では、Steveされる(クビになる)という動詞が誕生したほど。
またある時は、創業パートナーで大親友のウォズニアックに700ドルの仕事を折半で350ドルづつしようと伝えていたが、実際には5000ドルの仕事であり、4650ドルはジョブズの懐に吸い込まれていたなんていう話まで。
退社でストックオプション(社員が安く株を買える制度)の利益を逃した社員からは
「スティーブ・ジョブズと働かなくて良いのなら、そこには数十億の価値がある」
という素晴らしい評価を受けたり
社員に「お前の脳みそはクソだ」と言った時には、部下から
「スティーブ、あんたは頭のてっぺんから足のつま先まで全部クソだ」
と言われる始末。
結局、一度は自分の創った会社から追放される事になります。
プライベートな話で言えば、育児放棄なんかが有名です。
当時の彼女との間に、娘が誕生するのですが、ジョブズはこのことを、仕事に支障が出るのを恐れたのか、全力で否定。
DNA鑑定の結果でも、94%の確率で父親はスティーブ・ジョブズだと出ているにも関わらず、6%の確率で自分は親ではないと主張。
彼女と娘のリサはその後、生活保護を受けながら生きていく事になります。
(最終的にリサとは和解し、同居)
クズエピソードだけで、数々の伝説を生み出しています。
まさに大物。
さらにクズ以外にもう一つ当てはまる言葉があります。
バカ
です。
僕は「馬鹿」という言葉を、理解の範疇を超えている人と定義付けています。
ネジが外れていると言い換えてもいいかもしれません。
運転した事のない彼女に運転を任せて、あとは任せると寝てしまったり。
風呂に入らない生活をしていて、周りから臭いから風呂に入れと言われても、自分はベジタリアンだから匂うはずがないと聞かず。
小さい頃には、殺虫剤を味見して病院送りになったことも。
社長になって以降も
「ドラッグ(LSD)をやったことの無い人間に創造行為なんてできない」
「サムスンに水爆を落とす」
といった問題発言を連発。
クズで非常識。
こんな人と絶対仕事なんかしたくない。
普通ならそう思うでしょうが、不思議な事にジョブズの周りには世界でもトップクラスの人格者が集まっています。
ジョブズとの共同創業者であり、親友の天才エンジニア、ウォズニアックは超が付くほどのお人好し。
自分の分の社内株を他のエンジニア達に譲って、利益を分け与えたりして、部下からとても尊敬されていました。
更に現アップルCEOのティム・クックも穏やかな性格ですし、ジョブズの右腕でありデザイン担当のジョナサン・アイブも素晴らしい職場環境を整えていて、辞めたいと言ったチームメンバーはいないというほど。
どうやらカリスマの元には、必要な人材が集まってくるようです。
ちなみにAppleの創業資金は、無料で電話ができるという違法なビジネスで集めたお金です。
ここまで、散々ジョブズの悪い所を紹介して来ましたが、ここからはジョブズのどこが凄いのか、何が面白いのかを説明していこうと思います。
まず第1に挙げられるのが、圧倒的な行動力とメンタルの強さです。
13歳の頃には、ヒューレット・パッカード社の部品が欲しいと、社長であり創業者のビル・ヒューレットの自宅に電話。
結果、部品を送って貰えただけでなくインターンまで誘われる。
インドの導師を探す旅の資金を集める為に、ATARIというゲームメーカーで働きたいと思えば、アポなしで、しかも裸足でいきなり訪問し、幹部じゃ話にならないからと社長が出てくるまで帰らない。
採用してくれるまで帰らないの一点張り。
結局、社長を引きずり出し、しかも採用されるという結果に。
採用した社長も凄いですね。
ここでも採用だけに止まらず、最終的には他社との交渉を成功させる事を条件に、インドの旅費を会社に負担させました。
(ジョブズのあまりの態度の悪さに他社からATARI社にクレームが入りましたが、交渉自体は成功していたそうです。)
若い頃、他社に商品をセールスしに行った時には、社長を待っている間、テーブルに足を乗せて待っていたら、怒鳴られて追い返されたというエピソードもあります。
(その時は「先見の明もない、あんな小物に用はない」と言っていたそう)
驚くほどのメンタルと行動力ですが、その根底にあるのは、自分を中心に地球は回っているという究極の自己中です。
自分には先見の明があり、才能があり、リーダーとしての素質もある。
だから自分には何でもできる。
自分より劣った人間の事など気にする必要は1ミリもない。
そういう考えが彼のメンタリティを支えていたのだと思います。
外から見ているとただの嫌な奴ですが、彼のような開き直った考え方が世界には存在していたという事実だけで、親の意見や世の中の風習ばかり気にして疲れきっていた当時の僕には輝いて見えました。
そしてもう一つ、ジョブズを語る上で欠かせない要素が【芸術】です。
「Macは芸術であり、俺たちはアーティストだ」
アップルを象徴する言葉だと思います。
パソコンは芸術ではありませんし、エンジニアは芸術家ではなくエンジニアです。
しかし、誰がなんと言おうとMacは芸術であり、自分たちは芸術家。
そう言い続けてきた事が、いまのクールなアップルに繋がっているのだと思います。
パソコンにおいての芸術性をジョブズはデザインに求めました。
この徹底ぶりがまた凄い。
一切の妥協は許さない。
超が付くほどの完璧主義。
デザインに関する笑ってしまうようなエピソードがあるので、ご紹介します。
ジョブズが入院していた時の話。
命すら危ぶまれるような状況で、麻酔を打たれていたにも関わらず、目を覚ましたジョブズは突然、呼吸器を外してしまいます。
なぜ、そんなことをするのかと医師に問われると一言
「デザインが気にくわない。全ての呼吸器を持って来い。その中から選ぶから。」
ジョブズ信者の僕としては、いかにもジョブズらしいなと思うエピソードなんですが、とにかくこだわりが凄まじい。
どの冷蔵庫を買うかを家族と数年間話し合って決めたり、
一人で暮らしていた頃なんかは、あまりに完璧主義すぎて部屋にあるのは、電灯とレコードだけみたいな状況。
服はお気に入りのイッセイミヤケのタートルネックを一生分購入。
ちなみに、よくテレビ等でも服に時間をかけるのが無駄だからという理由で紹介されていたりしますが、それは僕の知る限りではFacebookのCEOマーク・ザッカーバーグの話であり、ジョブズに関しては、自分が認めた最高のものしか身につけたくないからというのが正しい理由だと思います。
とにかく、こだわります。
広告やアップルストアの素材選びも徹底。
名詞作りの時なんかは、デザイナーとSteve P. Jobs のP. について討論。
Pの後のドットをPの文字に含む形で打つ、つまりRの位置辺りに打つか、Pの文字とは別の文字としてP.と打つかで揉めていたようです。
ちなみにこの時は、珍しくジョブズが折れたようです。
納得させることができれば、受け入れる事もあるんです。
大好きなパソコンやスマホのデザインなんて話になると大変。
パソコンのファン(パソコン内部でエアコンの役割をする)音が禅っぽくないという理由で作り直しを要求したり
(ジョブズは禅が好きです)
ミリ以下のボタンの位置を指摘して作り直し。
パソコンの中身の配線が美しくないとやり直し。
エンジニアの方々はさぞかし大変だったでしょうが、そういったジョブズのこだわりとエンジニアの努力が今のアップルブランドを築いてきたんですね。
またライバル、ビルゲイツとは対照的に、
ジョブズはお金に興味がありませんでした。
とにかく凄いものを創ることだけを見ていました。
お金を稼ぐ為に仕事をする、ビジネスをするという考え方とは正反対。
凄いものを作って、お金を稼ぎ、そのお金を使ってもっと凄いものを作る。
僕はビジネスは大きくビル・ゲイツ派とジョブズ派の2種類に分けられると思っていて、前者はお金を稼ぐ事を目的とし、後者は凄いものを創る事を目的に働きます。
色んなサービスを見ていると、個人的には後者のサービスの方が面白いなと思っています。
なので、基本的に、今後このブログで紹介していくのはジョブズ派のものが多くなると思います。
まぁ、お金を稼ぐことが目的になっていても、突き抜けてしまえば、夢があって、それはそれで面白かったりするんですけどね。
最後に僕が読み漁ったジョブズ関連の書籍や映画の中で良かった、面白かったものを紹介します。
スティーブ・ジョブズは何を遺したのか。
個人的には一番のオススメ。
一般的な書籍と違って、写真が沢山盛り込まれており、ジョブズの世界を堪能できる。
デザインも素晴らしい。
ヤマザキ・マリ
映画にもなった「テルマエロマエ」の作者が描いたジョブズの漫画。
ノンフィクション漫画なので、伝記を読むのは面倒だけど、漫画だったら読めそうという人にオススメ。
ウォルター・アイザックソン
スティーブ・ジョブズ
言わずと知れた、スティーブ・ジョブズ公認伝記。
色々と低い評価を受けたりもしていますが、なんだかんだでジョブズにおける教科書的伝記。
ビー・ヒア・ナウ
この本は僕のオススメという訳ではないんですが、若き日のジョブズにとってのバイブルです。
LSDの話やインドの仙人の話なんかが書かれています。
ジョブズのルーツを知りたい方はどうぞ。
バトルオブシリコンバレー
作家の村上龍さん推薦の映画。
若き日のビルゲイツとジョブズの戦いを描く。
これまでいくつかジョブズ関連の映画が公開されていますが、若き日のジョブズのクズっぷりが一番再現されているのはこの映画だと思います。
ストーリーも伝記映画より面白いです。
最後に、アップルの伝説のCMを解説して終わりにしたいと思います。
1984というCMで、映画監督を起用して作られた広告史に残るCMです。
1984年に世界一高い広告枠に流されたMacintosh(初代Mac)のCM。
1984とは、ジョージ・オーウェルという作家が書いた小説であり、大きな権力を持った者が全てを支配するという内容だそうです。
(僕は読んだ事がないので細かいことは分かりません。すいません。)
当時、IT業界で絶対的な権力を持っていたIBMを、小説1984のに登場する権力者に見立てて、挑発するような内容になっています。
広告にもしっかりとジョブズイズムが浸透しています。
最後まで読んでくれてありがとうございます。ではまた!
こちらリニューアル版ののリンクです。
https://youtu.be/OH6ZEsYxiT8